自己所有のラブホテルへの再投資時期が解らないと悩むオーナーからのご相談

こんにちは！
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント（株）スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く起きる「再投資」についてお話します。
簡単に見える「お金の使い方」もやり方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり～

とある、関東北部の主要高速道路のインターチェンジ付近に位置するラブホテルのオーナーから「色々と老朽化してきていることは解るんだけど、いつ頃交換するものなのか、タイミングと言うか判断基準とか優先順位が解らない。」との相談です。

当該のラブホテルに伺って、社長から詳しくお話を伺おうと館内を歩いていると、確かに社長が言う通りかなり老朽化していて、それ特有の匂いもしました。
従業員に案内された事務室も同様で、使いこんだソファで社長からお話を伺うと「ご覧の様に、立地が良いので昔から客入りに苦労はしなかったんですが、この10年ほどは徐々に売り上げが伸びず、最近は減少傾向なんです。最初は、そう遠くもない場所に新しいラブホも出来たので、その影響かなと思っていたのですが、先日、ひょんな事で従業員の話を小耳に挟みまして、
『何でもやっぱり場所よねぇ。
こんなに古くて手入れもしないラブホテルでも、ソコソコ入るのね。
でも、このままじゃダメよね』みたいな話でして、
少なからずショックでしたが、実は自分でもそんな感じはしていたので、
｢何とかしなくっちゃ！」とは思うのですが、
何処からどうすればよいのかわからなくて・・・
それに全部いっぺんに作り直すほどの余裕も無いし、
どうしたらいいですかねぇ？｣と言う、かなり深刻なご相談でした。

さて、お金って大事ですよね。出来れば手元に置いておきたい。・・・ですよね。
ですが、何かに使う必要が生じたとすると、貴方は・・・・
①出来るだけ、支払いが遅くなるように努力する。
②早く支払ってでも、早く目的を達するように努力する。
どちらのタイプでしょう？

実は、金額や期間によって有利になる方法は違うのです。
一般的に、使う金額が巨額で期間も長ければ①を、
逆に、それほど大きな金額ではなく、短期間で有れば②が有利と言われます。

理由は、大きなお金は返済期間が長ければ多額の金利が発生するからですし、ソレに対して、小さなお金は使われて物などに変わった方が得する効果が出るからだと言うのです。
※現在は超低金利なので、この話がそのまま通用するかはよく分かりません。

例えば、お金を借りて通勤用に自転車を買うか、バスで通勤するかと迷ったとします。
この程度の金額では、金利として支払う額は、ほんの僅かです。
でも、早く自転車を手に入れれば毎日の交通費（バス代金）などが浮くのです。
一日往復で、500円だとしても20日で1万円かかる交通費が要らなくなります。
それどころか、自転車と言う資産が増えますし、必要が無くなったら売却するなどして、投資資金の一部を回収も出来るかもしれません。

同様に、仕事で使う道具や、お客様に提供する何かは、借金して早く払ってでも、早く入手する事で、多くの収入を生む可能性が高いのです。

もう少しこの話を進めますと〝お金を使うと得する”になります。
例えば、ある人が使わないで済む100万円を持っていたとします。
「今は使わないで済むから」と言って、使わないでいると・・・
1年経っても100万円のままです。←銀行に預金しても数百円の利子だけです。

でも、この100万円を元に何かを仕入れて販売したとすると・・・
それが、1ヶ月で５％の利益しか生まなかったとしても・・・複利にならなくても
5万円×12か月で60万円も利益を生むのです。

ラブホテルの場合ですが、例えば「枕が古くなった」と感じたら・・・即、購入して交換しましょう！（枕は、した半分を両手で持って立ててみて、折れ曲がるようなら交換です。）
お金で持っていても、税金がかかるだけですが！「新しい枕」は、お客様に喜ばれて・・・利益を生み出す元になります。
カーテンも、スリッパも、絨毯も、シャワーヘッドも・・・・みーんな
「まだ、なんとか使えそうだ」等と考えないで！
壊れていなくても「もう、交換時期だな！」と割り切って購入しましょう。
その方が『お金が活きて来ます。』

そして、どうせ払うなら、早く払いましょう。
もしかすると、前金なら少しぐらい負けてくれるかもしれません！
それは無理でも、納品が早まるかもしれません。
コレって、同じ金額なのに「得」ですよね。
だって、早くお客様に良い品を提供出来て、早く評判が良くなって、早く儲かるのです。

だ・か・ら・・・
【お金は早く払うと得をする】・・・となるのです！

さて、この社長のラブホテルは、見事に減価償却が済んで居ると思われます。
その分、内部保留金などになって溜まっているのでしょうが、それでは死に金です。
お金にも働いて（生き金になって）もらいましょう。

そこで、こちらのラブホテル社長には、この改革はスピードが重要だとして、
① 最初に寝具を新調しましょう。それも全部そろわなくても、入手出来た物から順次交換しましょう。※ベッドも交換が必要そうなのでサイズには注意してください。
② 次に、館内共有部の客導線意匠をフロア別に時期をずらして新調しましょう。
※デザインのコンセプトは、従来の方向性を維持しましょう。
③ 上記の共有部客導線の意匠工事をしている間に、同階層のいくつかの部屋も浴室を含んで、意匠を新調しましょう。※改装のコンセプトも共有部と共通で現状を踏襲する。
④ 全ての客導線と、幾つかの室内改装を終えたら、ロビーなどの意匠を塗装など短期間で施工できる方法を採用して新調しましょう。
⑤ この後で販売する部屋は、可能な限り改装が終わった部屋を優先しましょう。
⑥ それも終わりましたら、外装の修理や徹底した清掃をしましょう。
⑦ この順番なのは、外装を綺麗にしてお客様に過剰な期待感を持たせておいて、室内の古臭い様子で落胆させない為です。
⑧ これらの工事にかかる資金は、借り入れを起こすべきですが、それが実行されなくても、自己資金などを投入して出来る範囲まで、敏速に始めるべきだし、可能であれば注文時に半額または全額を前もって支払う事で、納期や工期を短縮させる交渉をしましょう。
※自己資金投入で改善した結果、売上の改善が見られれば金融機関も融資をしやすくなります。
⑨ これらを実行すれば、本来の立地貢献の良さをもっと発揮して集客力が回復し、室内改装が終わるころには、組数の増加を受けて値上げも可能となると思います。
等と指導させて頂きました。

この工事の意匠などについても、弊社が承る事になり、従来の出入りの業者様に施工をお願いして、約半年間にわたる意匠等の改善工事でしたが、その間もそれ程には売り上げに影響もなく、完成後には、当該の店舗はグンと集客力を発揮して、地域一番店に成長されました。