アンケートの回答を見てどうして良いのか混乱したラブホテル経営者からのご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでもよく目にする「アンケート」についてお話します。
簡単そうに見える「アンケート」も、使い方を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり始まり~

とある、首都圏の環状線道路周辺に位置するラブホテルの経営者から、
「アンケートの回答を見て混乱してしまって、
どうしたら良いかわからない。」

との相談です。

現地のラブホテルに伺って、社長から詳しいお話を伺うと
「先日、業者から『アンケートをしてはどうか?』と言う提案を受けて、他のラブホテルでもやっていると言うアンケートの雛型の様なものを参考にして、簡単なアンケート調査を行ったところ、思ってもみなかった回答がたくさん回収されて来て、驚いただけでなく
この先どうすればよいのか
解らなくなってしまった。」と言うご相談でした。

これ、実はよく聞く話なのです。
結論から言えばアンケート調査は役に立たないばかりか、誤った判断に結びつく事が有るので取り扱いが難しいから、平田は「やらないに越したことは無い」と思っています。
その訳は、・・・・

ラブホでも飲食店でもよくアンケートを見かけますが、あれ、集めただけでは役に立たないから、当然分析したりして、今後の運営や営業の指針にしたりするわけですが・・・
この分析が意外と難しいのです。

例えば、価格について聞くと、思ったよりも「高い」「やや高い」が多いのが普通です。
でも、御心配いりません!コレちょっとした噓」なんです。

顧客様は、貴方の店舗を気に入って価格にも満足しているから来店されています。
本当に高いと思っているなら、来ていない筈です。
なのに、来ているのにアンケートに「高い」と書くのは・・・
お客様としての願望と言うか「ちょっとした噓」なんです。

つまり「今のままでも良いし買うけど、もっと安かったら嬉しいな。」なんです。
なのに、それを真に受けて「価格が高すぎるとのご批判が多い」なんて思って
慌てて値下げするのは、大きな間違いです。

また、毎日100人お客様がご来店されるお店で、「味」のアンケートを実施して
一カ月に30枚の回答が有ったとして、その25枚に「少し味が濃い」と書かれていたら・・・
貴方はどう思うでしょう?
アンケートを書いた人の殆どが「濃い」と言うから、少し薄味にしますか?

でも、よく考えると来店客は100人×30日で3000人であるのに対して
濃いと書かれたアンケート回答は30枚だったという事は、
100人に1人以下の人しか「濃い」と書いてないという事になり、残りの99人は「この味で良い」と思っているのではないでしょうか?

もし、アンケート調査の結果を真に受けて、100人に1人の意見に合わせたら、残りの99人の意見を無視する事になります。
つまり、アンケートを書かなかったお客様の事を考えて、分析しないといけないのです。
※この例は、実際の飲食店で起きました。

また、ある経営者様から「アンケートを実施したけど、回答率が低くて困っている。」
「なんか回答率を上げる方法は無いか?」と相談された事があります。

でも、アンケートの回答率が悪いって、“お客様のご不満が少ない”という事にもつながるので、ある意味で喜ばしい事なのです。
それに、なまじアンケート回答に特典やサービスを付けると、「見返り欲しさの回答」なので、回答内容が甘く適当になります。
これでは、アンケートの意味が無くなりますので、避けるべきでしょう。

ある意味では、アンケート調査とは“お客様の希望を聞く”と言うよりも“お客様の不満を聞く”と言う傾向が強く反映されるとも言えるのです。

案の定、このラブホテルで行ったアンケート調査でも、価格は高い、アメニティは足らない、部屋は古臭い、料理は不味い、と散々な言われ様でした。
それに、調査期間が1か月も有ったのに、回答数は数十枚でしかなく、回答率は3~4%に過ぎませんでした。
また、平田がアンケートの回答済み用紙を、一枚一枚丁寧に見て(読んでではない)みますと、その内の数枚に、同じ筆跡を見かけました。
つまり、これらは同じ人が書いている事が解ります。
内容はすべて同じで「料金が高い」とかの文句です。
でも、考えてみると、この人は文句を言いながらも、月に何回も通ってきてくれています。
と言う事は、彼(多分男性)は、このラブホテルを気に入っているのだと思います。

ですから、この社長には、以上の事をかいつまんで説明して、
アンケート調査は、回答して来ない人が多いけど、それは「言う事が無い」つまり不満が無い事を指します。
貴方のラブホテルでは、回答率が4%未満ですから95%以上のお客様が満足している事を指しています。

回答してきたアンケート用紙の内、数枚は筆跡から見て、同一人物だと思われます。
こちらも現に月に数回通ってきているお客様ですから、書いてあるご不満も本心からではなく、「こうなればいいなぁ。」と言う子供じみた願望程度にお考え下さい。

今後もアンケート調査をしたいとお考えでしたら、高いとか安い、多い少ないなどの回答を求めるのではなく、具体的な改善提案を求めてみてはどうでしょう。

等と指導しましたところ、非常に安心された御様子となりました。
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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