シフトが組めないで、業務が止まりそうだと嘆く経営者様からのご相談

こんにちは!
ラブホテル・レジャーホテル経営の専門コンサルタント(株)スパイラルの平田です。
今日は、ラブホテルでは良く起きる「シフト問題」についてお話します。
一見簡単に見える「シフト」も雇用方法を誤ると問題が起きるので要注意なのです。
では、始まり、始まり~

とある新幹線のターミナル駅から車で15分ほどに位置するラブホテルの経営者から、
「シフトが組めず、営業出来なくて参った。」
との相談です。

当該のラブホテル伺って、比較的若い経営者兼支配人からお話を伺うと「時間帯や曜日によって出勤者が偏るからシフトが組めず営業に支障が出てるし、スタッフからも不満を言われて、ほとほと困ってしまった。他所はどうやっているんだろうって不思議だけど、他所から来たスタッフに聞いても、あんまりウチと変わらないみたいだし、どうしたら良いか分からなくて・・・」というお話でした。

先ず、就業人数は適正な範囲なのかを確かめようと、スタッフの数を聞いたところ、部屋数と照らしても少なくはない、かえって少し多いような雰囲気です。

次に「さっき『出勤者が偏るからシフトが組めず営業に支障が出ている』と仰いましたが、具体的にはどんな時ですか?」と尋ねました。
「朝方の早い時間帯と、夜の繁忙時、特に週末がダメですね。」と答えてくれたので、続けて「ダメって、どんな事がダメなんですか?」と聞くと「出勤してくれる人が居ないんですヨ。」との事でしたが

・・・・ナンダソレ?

《出勤してくれる》ってナニ?
そもそも出勤時間とかって会社(雇用側)が決める事であって、労働側が勝手に決める事ではないはずです!

でもここは冷静に「そもそも、面接して雇用するときに出勤可能な時間帯とか曜日などは聞かないのですか?」と聞いてみると「聞きますよ。そうして雇うんですが、段々と色々と要望が出来てくるじゃァないですかぁ。」とのお答えです。

これは深刻な問題です。
スタッフの出勤時間帯をスタッフの希望通りに決めると言う事は、経営側が経営のイニシアティブを労働側に手渡す事なのです。
他の項目でも申し上げる事が有りますが「従業員は、お客様の為でも、会社の為でも、社長の為でも無く、自分(金)の為に働く」のです。
従業員というのは「自分の人生から時間を切り取り、会社組織等に販売して金員を受け取る人」の事です。」
反対に、会社(社長)は、スタッフの人生である時間を買ってあげて、金員を授けるのです。

※昔はこの人を旦那(語源はサンスクリット語のダーナヤ)と呼び、《仕事と報酬をくれる人》の意を持ち、インドのマハラジャ、エジプトのファラオ、日本では大名やお殿様などはこれにあたります。

それなのに、出勤時間をスタッフの希望を聞いて決めているとは完全に〝アウト″です。
それでは、暇で楽な時間帯にしか働きに来ません。
早朝や繁忙時間帯、週末や祭日に来ても、面倒だし忙しくて時給も変わらないなら来るはずが有りません。

そこで、シフトを決めるのは会社(社長の権限)であり、雇用時に条件に含まれているのにそれに従わない場合は、雇用契約違反として解雇するか、雇用契約の見直しをする事」と指導しました。

要は、従業員の都合を聞いてくれる優しい社長は、従業員にとっては、
「何でも言うこと聞く腑抜け社長
として認識されているわけです。
ここは、しっかりと雇用契約書通りにシフトを作り、雇用のみならず経営のイニシアティブを取り戻すようにしなければなりません。

そこで、社長には上記の事を説明した上で「急にスタッフ全員を敵に回すのは得策ではないので、あまり働かないとか、会社の言う事を聞かないとか、シフト変更の数が多い或いはドタキャンするとか、居なくなっても良い人から順に、指導して行きましょう。」とやり方のコツを添えて指導しておきました。

その後、我儘な数人は辞めたようですが、順調に雇用補充も出来て、営業に支障をきたすことなく順調に営業は推移し、弊社には「清掃作業指導」や「マニュアル作成」を依頼され、更に売り上げを伸ばす事が出来ました。
株式会社スパイラル 平田 壯吉 代表取締役

平田 壯吉

スパイラルは、運営請負や人員派遣を行わず、ラブホテル経営相談一筋に、多数の繁盛ホテルを誕生させて参りました。
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