トピックス ラブホテル運営格言集 前半 あ~た
ホテルや飲食業等接客業(ラブホテルを含む)の運営者様に送る平田流の運営格言集です。
今日は七夕ですね。皆さんのラブホは忙しいかな?
一般的に、ラブホテル運営上で大事に思うことを短いセンテンスに加工して紹介しています。
施設の立地などの諸状況によっては、当てはまらない事も有るかもしれません。
また、皆さんのお考えと違う事も含まれるかもしれませんが、
「そんな考えも有るんだな」程度にお考え戴き、
何かのご参考になれば幸いです。
今日は、あ行からた行までで、来週の金曜日に後半に、な行以降をお知らせします。
なお、五十音に一つずつとは限りません。
では、始まり、始まり。
あ行
「歩く・見る・触る」
≪設備の清掃点検の注目点≫を表した言葉です。
お客様の歩くルートを想定して、お客様目線で見る事が大事です。
中でも手や皮膚が触れると考えられる場所や機材の点検は確実に行いましょう。
マニュアルより感性が大事です。
「忙しいなら稼げ、ヒマなら磨け」
≪繁忙時は細かい事は気にかけず、追加清掃に傾注して売上を得る事に集中するべき≫の意です。
閑散時は売上を追うよりも、設備の整備点検などを進めて繁忙時に備えるべきです。
ホテルは、空室時の作業で決まるともいえます。
「急がせずに慣らせ」
≪新人従業員には、作業を急がせる事をせずに、早く作業に慣れる様に仕向けろ≫の意です。
作業を急げばミスが出ます。急いで済まそうとすれば手を抜きます。
間違いの無い作業手順に慣れれば、段々と作業は早くなります。
「急がば、始めろ」
≪結果が早く欲しいならば、とにかく早く始めるべきだ≫の意です。
ホテル運営で何かシステムを変えても、その結果が出るまでには一定の期間が必要となりますから、早く結果または効果を得たいと考えるのなら、計画の完全性を期する準備に時間を費やすより、不完全でも作業を開始するべきである。
如何に事前考察しても、変更を必要とする事は出てくるものです。
「上から、奥から」
≪客室清掃の手順として、先ず上から掃除して、次いで奥から掃除する≫の意です。
上の掃除が出来て居ないと、いつまでも埃が舞ってしまいますし。奥から清掃しないと
何度も行き来する事になり、時間も労力も無駄になります。
客室清掃の基本中の基本ですから、先ず身に付けてください。
「上様の便所」
≪無駄にやたら広いスペースは、不安感がある≫の意です。
将軍様のトイレなら、警備上からも広くしておく必要もあるのでしょうが、恋人同士だけで利用するホテルの客室は、無駄に広くする必要はありません。
それどころか、かえって不安に感じるものです。
トイレばかりでなく、寝室なども適正な面積の確保を心がけましょう。
「売らなければ売れぬ」
≪清掃の済んだお部屋は、必ず販売しましょう≫の意です。
単価の高いお部屋を売りたいために、せっかく清掃の終わったお部屋を販売せずに閉ざしてしまう事は慎みましょう。
お客様を欺いているつもりでしょうが、実はしっかりと露見している事が多いです。
そんな事を続けていると、お客様に相手にされなくなってしまいますよ。
「選ぶ楽しさも売り物」
≪お客様に”たくさんの空室の中から、利用する部屋を選ぶ楽しみ”も販売しましょう」の意です。
常に、可能な限りの空室を販売ラインナップに加える努力をする事が、お客様への誠意であり、無形の商品を販売すると言うもっとも賢いやり方です。
「お客の顔も三度まで」
≪お客様の権利を尊重して、可能な限りご要望に応える不断の努力が必要だ≫の意です。
清掃ミスがあったり、料理提供に時間が掛かったり、繰り返し満室でお待たせする事が続くと、そのお客様は他のホテルに鞍替えしてしまいます。
一度信頼を失った信頼を取り戻す事は極めて困難です。
「押し売りは良品を持たず」
≪頼んでもいないのに押しかけて来て、煩く売る人は良い物を持って来ない≫の意です。
エレベーターの中やロビー周り、客室内にベタベタと販売促進ポスターを貼っているホテルを見かける事があります。
また、客室とも電話のやり取りに宣伝などを織り込んで話しているケースにも出会いますが、それでは”お客様が御買い求められた世界”を壊す事となっているのです。
そんなに一生懸命にならないと売れない商品なら、きっと改善が必要なのです。
か行
「神の声には、仏の顔」
≪クレームを言ってくださるお客様には、仏様の様な心と顔で対応せよ≫の意です。
自分達が「気が付かなかった不備」を指摘してくださるお客様は、神様のような存在です。
お叱りを頂いた時には、全てを受け入れる寛大な心をお持ちになる仏様になったような気持ちを持って、感謝と尊敬を忘れずにお言葉を頂きましょう。
「帰りの足音がホテルを語る」
≪ホテル利用者の満足具合は、お帰りになる時の足音に現れる≫の意です。
ホテルに満足されたお客様の足取りは名残惜しそうにゆっくりとしているのだが、不満をお持ちのお客様は逃げるように速い足取りでお帰りになる。
「金の取れる掃除が仕事」
≪ホテルの清掃作業は、単なる一般家庭の掃除とは明らかに違うレベルでなければ無ければならない≫の意です。
自分の家なら自分が我慢すれば済む話ですが、ホテルでは通用しません。
ここまでするのか?と思うくらいでちょうど良いのです。
「金より人」
≪お金が人を連れてくる事は無く、人がお金を持ってくるのである≫の意です。
売上金は、お客様の欲求を具現化するところへ、それを知るお客様によって連れられてくるのである。
金銭の魅力(安売り)だけで集客する事は、決して長くは続かない。
「閑散は繁忙の母」
≪来客数の少ない時間帯や曜日の販売方法や作業のあり方が、満室が続く時間帯を作る≫の意です。
閑散期間は、繁忙期間に備えるためにする事を済ましておくためにビジネスの神様がくれた贈り物だと思って、決してダラダラと無為に過ごしてはいけません。
「眼科の看板」
≪看板には、字よりも気持ちを込めるべき≫の意です。
小さな字でギッシリと営業案内や料金システムを書いたところで、通りすがりの少ない時間で、誰も読むことなど出来ないのです。
内容よりも来て頂くための魅力を表現しないと、看板は役に立たない。
「聞きたい事しか、聞えない。」
≪お客様にしても従業員にしても、自分自身が聞きたい事や興味のある事にしか、反応しないので、注意事項やお願いなどを彼らに伝える事は困難である≫の意です。
清掃用具などの使用方法の説明や、サービス券利用時の制限などを伝える為にする
各種アナウンスやインフォメーションなどには充分な工夫を施さないと聞いてもらえません。
「季節の変わり目は、仕事の変わり目」
≪季節の移り変わる頃は、それまでしていた仕事とは違った仕事を始めるべきだ≫の意です。
そして、その頃と言うのは「今までしていた事を止めるとき」でもあります。
ただし、季節は思いのほか速い移り変わりを見せますから、少し速めに始めるのが良いでしょう。
「供給は欲求の母」
≪提供される商品やサービスがあってこそ、欲しがる人もいる≫の意です。
既に販売されている商品群の中での「ベストランキング」には、書かれて居ないお客様の欲求が存在する事が多いのです。
顧客欲求の全てを理解したり把握したりする事は非常に困難です。
ならば、先ずは提供してみましょう。
「キレイなだけでは足らぬ」
≪キレイに清掃するだけでは、お客様は来ない≫の意です。
「スゴイ」とか「楽しい」「ステキ」などのプラスアルファが無くて、キレイに掃除された部屋では、お客様は来てくださいません。
「金太郎飴になれ」
≪いつでも、どこでも、誰にでも、ちゃんとしていると思われる運営を心掛けましょう≫の意です。
ここだけ綺麗、昨日は綺麗では清掃は駄目ですし、平日だけお得でも、駄目なのです。
いつ見ても、何処を見られても、チャンとしていないと、長く繁盛する事はで来ません。
ムラ無く、無理なく、無駄のないように、普段から不断の努力をしましょう。
「空室が売上の基」
≪清掃をして空室を作り、売り出す事がホテルビジネスの基本である≫の意です。
いくらステキな部屋でも、清掃が終わって販売しなければ、無いのと同じです。
綺麗に清掃する事はもちろん大事ですが、だからと言って「綺麗にする為なら、幾らでも時間を掛けても良い」と言う訳ではありません。
「屑は屑」
≪まずいラーメンが大盛りになっても、誰も食べない≫の意です。
魅力の無いホテルが安売りしても、汚い部屋で長いサービスタイムを開催しても冷凍食品丸出しの無料ランチを出しても、誰も喜びません。
お客様の価値観を馬鹿にしたような運営展開は破綻します。
「警告するなら、改善せよ」
≪お客様に警告する必要があると感じたら、その必要が無いように改善するべきだ≫の意です。
「ここは、滑り易いのでご注意ください」とか「多少お時間を頂く事があります」などと
警告や注意を喚起する必要が有る設備やサービスがるなら、滑り難くするとか、早くサービスを提供できるように工夫するべきである。
警告や注意喚起は、ホテルの怠慢を表す恥かしい行為と考えましょう。
「ゲートは西高東低」
≪ホテルの出入口は西に向いている方が良い≫の意です。
早朝にお帰りになるお客様が朝日で眩しい東に向ける事を避け、夕方遅くまで足元が明るい玄関を確保するためには西方に向けた方が良い。
ちなみに北も同様に出入口に向いている方角であるが積雪地帯では別。
「困ったら、迷え」
≪問題の発生に対して、精神的に困惑する時間が有るなら、間髪入れずに複数の解決策を考察して、作業方向を選択する作業に移るべきだ≫の意です。
ホテル運営での方針修正は時間との戦いです。
考察に時間を取られると致命的な結果を生む事があります。
「どうするべきか?」から「どちらに進むべきか?」と発想を転換しましょう。
「五感で視、六感で創れ」
≪視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のすべてを動員して、ホテルを調査して得た情報から、感覚を呼び覚まし、するべき事を見つける事が大事≫の意です。
単に見るでも、観るでも無く≪視る≫気持ちが推進力になります。
さ行
「差別より、区別」
≪何処かとか、誰かと違う事より、正誤の区別の方が重要である≫の意です。
差別化を図ろうとして、正しい事柄を避けてしまう事は愚かな行為です。
「好きや嫌い」「良いと悪い」を分別する基準が自分であれば、それは差別である。
失うべきでないのは、常にお客様の目線で判断する事である。
「潮目を掴め」
≪お客様が押し寄せる時間帯を把握して対応する必要が有る≫の意です。
曜日によっても天候によっても、お客様の来店動向は大きく影響されます。
運営者は、その流れを読んで清掃班の配置や人数を決めておかねばなりません。
その潮目を外してしまうと、得られるべき売上が逃げてしまいます。
「正直が早道」
≪誰かや、何かを誤魔化したりするより、正直に商売した方が良い結果までが早い≫の意です。
細かいテクニックを弄して少しでも利益を増やそうとして、返ってお客様の信頼を失ってしまって売上を逃がしているホテルがあります。
時代は変わり情報社会の今は、悪い評判の広がる早さも尋常ではありません。
真直ぐにお客様の事を考えて、尽くす事が出来ないビジネススタイルは淘汰されてしまいます。
「世界の真ん中に居るとは限らない」
≪貴方が欲しがっている物を、お客様も欲しがっているとは限らないが、貴方が欲しいと思わないものを、お客様が欲しがる事は無い≫の意です。
提供するサービスの全てに関してのスケールを自分に合わせて居ては、顧客の求める物を提供できているとは限りません。
全ての始まりはいつも顧客で有るべきです。
「速度も、品質」
≪同一のサービスを展開するなら、提供までの時間が品質向上の鍵≫の意です。
提供する料理が同じ味と量を備えているなら、素早い調理と提供が、より美味しさを作り出すのです。
ただし、料理提供だけでなく清掃作業等も同様に考えます。
た行
「足せないなら、引け」
≪今以上の魅力を足す事が出来ないと感じたら、今有る欠点を探し出して取り除けば良い≫の意です。
設備も企画も時が経てば陳腐化するものです。
本当に有るべきものなのか?を精査し整理しないと、煩雑化が弊害を呼びます。
「足したら、引け」
≪作業やサービスの項目を増やしていくのであれば、不用となる事は引いて行け≫の意です。
やりたい事は増えていくのが常ですが、それでは処理能力を越えてしまいます。
飲食メニューを増やす時も、陳腐化した献立を止めて行く必要があります。
更新するには、常に削除も必要になると心得てください。
「只は高い」
≪無料配布を計画する時に、物品単価だけを考えてはいけない≫の意です。
無料配布には、企画・検討・発注・検品・保管・移送・配布・破棄・管理などの経費がかかり、その総額は意外と高額で、とても無視する事は出来ない。
「只の物に、欲しい物は無い」
≪無料で配られるような物に、本当に欲しいものは無い≫の意です。
〔只でくれる事〕は嬉しいのですが、〔只でくれる物〕は魅力が無いのです。
「何かを只で上げますから来てください」というホテルなんて期待できない。
「足らないから、無くなる」
≪お客様へのサービスが料金に見合わないときに、客室備品は盗まれる≫の意です。
『高い値段取るくせに・・・』と腹いせに、何かを持ち去る方は多いです。
持っていくものさえなければ、汚すか壊すかをするのです。
「他人の評価も75日」
≪お客様の評価が、数字になるのは3ヶ月近く掛かるのが普通≫の意です。
新しく運営方法などを変えた場合、それが良くても悪くても売上に影響を及ぼすには3ヶ月ぐらいはかかります。
なかなか、効果が上がらないからと言って、途中で止めてしまう事は避けましょう。
「中古も骨董」
≪単なる中古品も、見せ方一つで骨董品になる≫の意です。
石だって、見方が変われば宝物になるのです。
ホテルにとっては価値が無く見えても、お客様には価値が有る場合があります。
価値観をお客様に合わせないと、素晴らしい宝さえゴミにしてしまう事があります。
「照らすのは、膝下」
≪照明でお客様を照らす事は避けたいが、安全確保などで照度を確保する時は、足元(膝下)程度に留めたい≫の意です。
ホテル照明の基本は、間接照明の組合せですが、必要なら足元灯なども併用しましょう。
「誰も待たせるな」
≪お客様を不要にお待たせする事は、絶対に避けるべきである≫の意です。
お持ち頂く事が必要な場合も『お待ち下さい』では無く『ただいま・・・します』と話すべきです。
忙しいのは【自らの努力の賜物】であり、お客様の責任では無い。
「段取り八分、誠意が二分」
≪清掃も調理も接客もスムースに行なうには、事前の準備が非常に大事ですが、作業するときに大事なのは誠意です≫の意です。
マニュアルが完備しても事前作業が済んでいても、いざ作業する時に誠意が欠ければ無駄になる。
◆今回はここまで・・・・後半は来週金曜日です。
さて、お読みになってみた感想は、如何だったでしょう??
「おもしろい」という方も「つまらん」という方もおいででしょう。
中には「どれもこれも、全くつまらない」という方も居られるかもしれません。
しかし、それで良いのです。
一つには、最初に書きましたように
≪施設の立地などの諸状況によっては、当てはまらない事も有るかもしれません。
また、皆さんのお考えと違う事も含まれるかもしれません≫からですが
もう一つの理由があります。
それは、これらの内容は全て≪当たり前≫の事ばかりだからです。
つまり「こうすると、こうなる」と≪した事と結果の関係≫が解り切っているからです。
だから、平田も出来うる限り≪面白くしよう≫とは心がけるのですが、
所詮は「当たるに然る」、つまりは当然極まりない事ですから知っていられる方にとっては「全く詰まらん話」なのです。
しかし、「面白い」と感じた方は・・・「当たるに然る事を知らない」事になります。
「当たる方法を知らないから当たらない」可能性の高い方とも言えます。
さて、この世の全ての出来事には、理由が有ります。
その理由の事を「因」と呼びます。
そして、それによってもたらされる結果の事を「縁」と呼びます。
ホテルの営業結果に限らず、何事にも結果「縁」には、元になる「因」が有ります。
併せて「因縁」ですが、これは仏教の用語から来る言葉でして「良く解らないが、関係する事柄」と思ってください。
元と結果がわかりきっているものは「因縁」なんて言うややこしい名前で結ぶ必要はありません。言ってみれば「風が吹いたら、桶屋が儲かる※」の様に因果関係が複雑な場合に使うようです。
※風が吹く→埃が飛ぶ→目に入る→眼病になる→盲目になる→三味線弾きになる
三味線が売れる→三味線が大量に必要→製作に猫の皮が必要→猫が捕まる
ねずみが増える→桶を齧る→桶屋に注文が増える→桶屋が儲かる(落語のネタ)
ホテルの営業成績が良くないとしても、その根本的原因はおそらく「ひとつでは無い」し「幾つかの原因が複雑に絡んでいる」と思ってください。
なぜなら、単純に一つならば、とっくに誰かが解いて改善しているはずだからです。
ですから、上記の「平田流の運営格言」も多岐に亘るのです。
なので、もし「これは、面白い」と思った項目があれば、それが貴方の問題点かもしれません。
そして、「面白い」と感じた格言が複数有った場合は「これらが絡んでいるのだな」と思ってください。
「面白かった」方も「つまらなかった」方も、これをヒントにホテル運営の問題を解決して
営業成績を向上させる事が出来ますように、心からお祈りします。
今日は七夕ですね。皆さんのラブホは忙しいかな?
一般的に、ラブホテル運営上で大事に思うことを短いセンテンスに加工して紹介しています。
施設の立地などの諸状況によっては、当てはまらない事も有るかもしれません。
また、皆さんのお考えと違う事も含まれるかもしれませんが、
「そんな考えも有るんだな」程度にお考え戴き、
何かのご参考になれば幸いです。
今日は、あ行からた行までで、来週の金曜日に後半に、な行以降をお知らせします。
なお、五十音に一つずつとは限りません。
では、始まり、始まり。
あ行
「歩く・見る・触る」
≪設備の清掃点検の注目点≫を表した言葉です。
お客様の歩くルートを想定して、お客様目線で見る事が大事です。
中でも手や皮膚が触れると考えられる場所や機材の点検は確実に行いましょう。
マニュアルより感性が大事です。
「忙しいなら稼げ、ヒマなら磨け」
≪繁忙時は細かい事は気にかけず、追加清掃に傾注して売上を得る事に集中するべき≫の意です。
閑散時は売上を追うよりも、設備の整備点検などを進めて繁忙時に備えるべきです。
ホテルは、空室時の作業で決まるともいえます。
「急がせずに慣らせ」
≪新人従業員には、作業を急がせる事をせずに、早く作業に慣れる様に仕向けろ≫の意です。
作業を急げばミスが出ます。急いで済まそうとすれば手を抜きます。
間違いの無い作業手順に慣れれば、段々と作業は早くなります。
「急がば、始めろ」
≪結果が早く欲しいならば、とにかく早く始めるべきだ≫の意です。
ホテル運営で何かシステムを変えても、その結果が出るまでには一定の期間が必要となりますから、早く結果または効果を得たいと考えるのなら、計画の完全性を期する準備に時間を費やすより、不完全でも作業を開始するべきである。
如何に事前考察しても、変更を必要とする事は出てくるものです。
「上から、奥から」
≪客室清掃の手順として、先ず上から掃除して、次いで奥から掃除する≫の意です。
上の掃除が出来て居ないと、いつまでも埃が舞ってしまいますし。奥から清掃しないと
何度も行き来する事になり、時間も労力も無駄になります。
客室清掃の基本中の基本ですから、先ず身に付けてください。
「上様の便所」
≪無駄にやたら広いスペースは、不安感がある≫の意です。
将軍様のトイレなら、警備上からも広くしておく必要もあるのでしょうが、恋人同士だけで利用するホテルの客室は、無駄に広くする必要はありません。
それどころか、かえって不安に感じるものです。
トイレばかりでなく、寝室なども適正な面積の確保を心がけましょう。
「売らなければ売れぬ」
≪清掃の済んだお部屋は、必ず販売しましょう≫の意です。
単価の高いお部屋を売りたいために、せっかく清掃の終わったお部屋を販売せずに閉ざしてしまう事は慎みましょう。
お客様を欺いているつもりでしょうが、実はしっかりと露見している事が多いです。
そんな事を続けていると、お客様に相手にされなくなってしまいますよ。
「選ぶ楽しさも売り物」
≪お客様に”たくさんの空室の中から、利用する部屋を選ぶ楽しみ”も販売しましょう」の意です。
常に、可能な限りの空室を販売ラインナップに加える努力をする事が、お客様への誠意であり、無形の商品を販売すると言うもっとも賢いやり方です。
「お客の顔も三度まで」
≪お客様の権利を尊重して、可能な限りご要望に応える不断の努力が必要だ≫の意です。
清掃ミスがあったり、料理提供に時間が掛かったり、繰り返し満室でお待たせする事が続くと、そのお客様は他のホテルに鞍替えしてしまいます。
一度信頼を失った信頼を取り戻す事は極めて困難です。
「押し売りは良品を持たず」
≪頼んでもいないのに押しかけて来て、煩く売る人は良い物を持って来ない≫の意です。
エレベーターの中やロビー周り、客室内にベタベタと販売促進ポスターを貼っているホテルを見かける事があります。
また、客室とも電話のやり取りに宣伝などを織り込んで話しているケースにも出会いますが、それでは”お客様が御買い求められた世界”を壊す事となっているのです。
そんなに一生懸命にならないと売れない商品なら、きっと改善が必要なのです。
か行
「神の声には、仏の顔」
≪クレームを言ってくださるお客様には、仏様の様な心と顔で対応せよ≫の意です。
自分達が「気が付かなかった不備」を指摘してくださるお客様は、神様のような存在です。
お叱りを頂いた時には、全てを受け入れる寛大な心をお持ちになる仏様になったような気持ちを持って、感謝と尊敬を忘れずにお言葉を頂きましょう。
「帰りの足音がホテルを語る」
≪ホテル利用者の満足具合は、お帰りになる時の足音に現れる≫の意です。
ホテルに満足されたお客様の足取りは名残惜しそうにゆっくりとしているのだが、不満をお持ちのお客様は逃げるように速い足取りでお帰りになる。
「金の取れる掃除が仕事」
≪ホテルの清掃作業は、単なる一般家庭の掃除とは明らかに違うレベルでなければ無ければならない≫の意です。
自分の家なら自分が我慢すれば済む話ですが、ホテルでは通用しません。
ここまでするのか?と思うくらいでちょうど良いのです。
「金より人」
≪お金が人を連れてくる事は無く、人がお金を持ってくるのである≫の意です。
売上金は、お客様の欲求を具現化するところへ、それを知るお客様によって連れられてくるのである。
金銭の魅力(安売り)だけで集客する事は、決して長くは続かない。
「閑散は繁忙の母」
≪来客数の少ない時間帯や曜日の販売方法や作業のあり方が、満室が続く時間帯を作る≫の意です。
閑散期間は、繁忙期間に備えるためにする事を済ましておくためにビジネスの神様がくれた贈り物だと思って、決してダラダラと無為に過ごしてはいけません。
「眼科の看板」
≪看板には、字よりも気持ちを込めるべき≫の意です。
小さな字でギッシリと営業案内や料金システムを書いたところで、通りすがりの少ない時間で、誰も読むことなど出来ないのです。
内容よりも来て頂くための魅力を表現しないと、看板は役に立たない。
「聞きたい事しか、聞えない。」
≪お客様にしても従業員にしても、自分自身が聞きたい事や興味のある事にしか、反応しないので、注意事項やお願いなどを彼らに伝える事は困難である≫の意です。
清掃用具などの使用方法の説明や、サービス券利用時の制限などを伝える為にする
各種アナウンスやインフォメーションなどには充分な工夫を施さないと聞いてもらえません。
「季節の変わり目は、仕事の変わり目」
≪季節の移り変わる頃は、それまでしていた仕事とは違った仕事を始めるべきだ≫の意です。
そして、その頃と言うのは「今までしていた事を止めるとき」でもあります。
ただし、季節は思いのほか速い移り変わりを見せますから、少し速めに始めるのが良いでしょう。
「供給は欲求の母」
≪提供される商品やサービスがあってこそ、欲しがる人もいる≫の意です。
既に販売されている商品群の中での「ベストランキング」には、書かれて居ないお客様の欲求が存在する事が多いのです。
顧客欲求の全てを理解したり把握したりする事は非常に困難です。
ならば、先ずは提供してみましょう。
「キレイなだけでは足らぬ」
≪キレイに清掃するだけでは、お客様は来ない≫の意です。
「スゴイ」とか「楽しい」「ステキ」などのプラスアルファが無くて、キレイに掃除された部屋では、お客様は来てくださいません。
「金太郎飴になれ」
≪いつでも、どこでも、誰にでも、ちゃんとしていると思われる運営を心掛けましょう≫の意です。
ここだけ綺麗、昨日は綺麗では清掃は駄目ですし、平日だけお得でも、駄目なのです。
いつ見ても、何処を見られても、チャンとしていないと、長く繁盛する事はで来ません。
ムラ無く、無理なく、無駄のないように、普段から不断の努力をしましょう。
「空室が売上の基」
≪清掃をして空室を作り、売り出す事がホテルビジネスの基本である≫の意です。
いくらステキな部屋でも、清掃が終わって販売しなければ、無いのと同じです。
綺麗に清掃する事はもちろん大事ですが、だからと言って「綺麗にする為なら、幾らでも時間を掛けても良い」と言う訳ではありません。
「屑は屑」
≪まずいラーメンが大盛りになっても、誰も食べない≫の意です。
魅力の無いホテルが安売りしても、汚い部屋で長いサービスタイムを開催しても冷凍食品丸出しの無料ランチを出しても、誰も喜びません。
お客様の価値観を馬鹿にしたような運営展開は破綻します。
「警告するなら、改善せよ」
≪お客様に警告する必要があると感じたら、その必要が無いように改善するべきだ≫の意です。
「ここは、滑り易いのでご注意ください」とか「多少お時間を頂く事があります」などと
警告や注意を喚起する必要が有る設備やサービスがるなら、滑り難くするとか、早くサービスを提供できるように工夫するべきである。
警告や注意喚起は、ホテルの怠慢を表す恥かしい行為と考えましょう。
「ゲートは西高東低」
≪ホテルの出入口は西に向いている方が良い≫の意です。
早朝にお帰りになるお客様が朝日で眩しい東に向ける事を避け、夕方遅くまで足元が明るい玄関を確保するためには西方に向けた方が良い。
ちなみに北も同様に出入口に向いている方角であるが積雪地帯では別。
「困ったら、迷え」
≪問題の発生に対して、精神的に困惑する時間が有るなら、間髪入れずに複数の解決策を考察して、作業方向を選択する作業に移るべきだ≫の意です。
ホテル運営での方針修正は時間との戦いです。
考察に時間を取られると致命的な結果を生む事があります。
「どうするべきか?」から「どちらに進むべきか?」と発想を転換しましょう。
「五感で視、六感で創れ」
≪視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のすべてを動員して、ホテルを調査して得た情報から、感覚を呼び覚まし、するべき事を見つける事が大事≫の意です。
単に見るでも、観るでも無く≪視る≫気持ちが推進力になります。
さ行
「差別より、区別」
≪何処かとか、誰かと違う事より、正誤の区別の方が重要である≫の意です。
差別化を図ろうとして、正しい事柄を避けてしまう事は愚かな行為です。
「好きや嫌い」「良いと悪い」を分別する基準が自分であれば、それは差別である。
失うべきでないのは、常にお客様の目線で判断する事である。
「潮目を掴め」
≪お客様が押し寄せる時間帯を把握して対応する必要が有る≫の意です。
曜日によっても天候によっても、お客様の来店動向は大きく影響されます。
運営者は、その流れを読んで清掃班の配置や人数を決めておかねばなりません。
その潮目を外してしまうと、得られるべき売上が逃げてしまいます。
「正直が早道」
≪誰かや、何かを誤魔化したりするより、正直に商売した方が良い結果までが早い≫の意です。
細かいテクニックを弄して少しでも利益を増やそうとして、返ってお客様の信頼を失ってしまって売上を逃がしているホテルがあります。
時代は変わり情報社会の今は、悪い評判の広がる早さも尋常ではありません。
真直ぐにお客様の事を考えて、尽くす事が出来ないビジネススタイルは淘汰されてしまいます。
「世界の真ん中に居るとは限らない」
≪貴方が欲しがっている物を、お客様も欲しがっているとは限らないが、貴方が欲しいと思わないものを、お客様が欲しがる事は無い≫の意です。
提供するサービスの全てに関してのスケールを自分に合わせて居ては、顧客の求める物を提供できているとは限りません。
全ての始まりはいつも顧客で有るべきです。
「速度も、品質」
≪同一のサービスを展開するなら、提供までの時間が品質向上の鍵≫の意です。
提供する料理が同じ味と量を備えているなら、素早い調理と提供が、より美味しさを作り出すのです。
ただし、料理提供だけでなく清掃作業等も同様に考えます。
た行
「足せないなら、引け」
≪今以上の魅力を足す事が出来ないと感じたら、今有る欠点を探し出して取り除けば良い≫の意です。
設備も企画も時が経てば陳腐化するものです。
本当に有るべきものなのか?を精査し整理しないと、煩雑化が弊害を呼びます。
「足したら、引け」
≪作業やサービスの項目を増やしていくのであれば、不用となる事は引いて行け≫の意です。
やりたい事は増えていくのが常ですが、それでは処理能力を越えてしまいます。
飲食メニューを増やす時も、陳腐化した献立を止めて行く必要があります。
更新するには、常に削除も必要になると心得てください。
「只は高い」
≪無料配布を計画する時に、物品単価だけを考えてはいけない≫の意です。
無料配布には、企画・検討・発注・検品・保管・移送・配布・破棄・管理などの経費がかかり、その総額は意外と高額で、とても無視する事は出来ない。
「只の物に、欲しい物は無い」
≪無料で配られるような物に、本当に欲しいものは無い≫の意です。
〔只でくれる事〕は嬉しいのですが、〔只でくれる物〕は魅力が無いのです。
「何かを只で上げますから来てください」というホテルなんて期待できない。
「足らないから、無くなる」
≪お客様へのサービスが料金に見合わないときに、客室備品は盗まれる≫の意です。
『高い値段取るくせに・・・』と腹いせに、何かを持ち去る方は多いです。
持っていくものさえなければ、汚すか壊すかをするのです。
「他人の評価も75日」
≪お客様の評価が、数字になるのは3ヶ月近く掛かるのが普通≫の意です。
新しく運営方法などを変えた場合、それが良くても悪くても売上に影響を及ぼすには3ヶ月ぐらいはかかります。
なかなか、効果が上がらないからと言って、途中で止めてしまう事は避けましょう。
「中古も骨董」
≪単なる中古品も、見せ方一つで骨董品になる≫の意です。
石だって、見方が変われば宝物になるのです。
ホテルにとっては価値が無く見えても、お客様には価値が有る場合があります。
価値観をお客様に合わせないと、素晴らしい宝さえゴミにしてしまう事があります。
「照らすのは、膝下」
≪照明でお客様を照らす事は避けたいが、安全確保などで照度を確保する時は、足元(膝下)程度に留めたい≫の意です。
ホテル照明の基本は、間接照明の組合せですが、必要なら足元灯なども併用しましょう。
「誰も待たせるな」
≪お客様を不要にお待たせする事は、絶対に避けるべきである≫の意です。
お持ち頂く事が必要な場合も『お待ち下さい』では無く『ただいま・・・します』と話すべきです。
忙しいのは【自らの努力の賜物】であり、お客様の責任では無い。
「段取り八分、誠意が二分」
≪清掃も調理も接客もスムースに行なうには、事前の準備が非常に大事ですが、作業するときに大事なのは誠意です≫の意です。
マニュアルが完備しても事前作業が済んでいても、いざ作業する時に誠意が欠ければ無駄になる。
◆今回はここまで・・・・後半は来週金曜日です。
さて、お読みになってみた感想は、如何だったでしょう??
「おもしろい」という方も「つまらん」という方もおいででしょう。
中には「どれもこれも、全くつまらない」という方も居られるかもしれません。
しかし、それで良いのです。
一つには、最初に書きましたように
≪施設の立地などの諸状況によっては、当てはまらない事も有るかもしれません。
また、皆さんのお考えと違う事も含まれるかもしれません≫からですが
もう一つの理由があります。
それは、これらの内容は全て≪当たり前≫の事ばかりだからです。
つまり「こうすると、こうなる」と≪した事と結果の関係≫が解り切っているからです。
だから、平田も出来うる限り≪面白くしよう≫とは心がけるのですが、
所詮は「当たるに然る」、つまりは当然極まりない事ですから知っていられる方にとっては「全く詰まらん話」なのです。
しかし、「面白い」と感じた方は・・・「当たるに然る事を知らない」事になります。
「当たる方法を知らないから当たらない」可能性の高い方とも言えます。
さて、この世の全ての出来事には、理由が有ります。
その理由の事を「因」と呼びます。
そして、それによってもたらされる結果の事を「縁」と呼びます。
ホテルの営業結果に限らず、何事にも結果「縁」には、元になる「因」が有ります。
併せて「因縁」ですが、これは仏教の用語から来る言葉でして「良く解らないが、関係する事柄」と思ってください。
元と結果がわかりきっているものは「因縁」なんて言うややこしい名前で結ぶ必要はありません。言ってみれば「風が吹いたら、桶屋が儲かる※」の様に因果関係が複雑な場合に使うようです。
※風が吹く→埃が飛ぶ→目に入る→眼病になる→盲目になる→三味線弾きになる
三味線が売れる→三味線が大量に必要→製作に猫の皮が必要→猫が捕まる
ねずみが増える→桶を齧る→桶屋に注文が増える→桶屋が儲かる(落語のネタ)
ホテルの営業成績が良くないとしても、その根本的原因はおそらく「ひとつでは無い」し「幾つかの原因が複雑に絡んでいる」と思ってください。
なぜなら、単純に一つならば、とっくに誰かが解いて改善しているはずだからです。
ですから、上記の「平田流の運営格言」も多岐に亘るのです。
なので、もし「これは、面白い」と思った項目があれば、それが貴方の問題点かもしれません。
そして、「面白い」と感じた格言が複数有った場合は「これらが絡んでいるのだな」と思ってください。
「面白かった」方も「つまらなかった」方も、これをヒントにホテル運営の問題を解決して
営業成績を向上させる事が出来ますように、心からお祈りします。